ここ1~2年間、クリエイティブ界隈では生成AIの話題を見ない日はなくなりました。
以前「AIでできそうなことを考える」という課題に取り組んだこともあり、AI利用とWEBデザイナー/エンジニアにこの先求められるスキルについて考えてみました。
(客観的な事実よりも個人の意見を多く含みます。)
昔、コストや本当にできるか、などは深く考えず「AIが進化してこういうのできたらいいよね」とか「こういうことに利用できそう」みたいなアイディアを考えるという課題に取り組んだことがありました。
この課題に対して私は「設問に対して簡単な回答を入力するだけでWEBデザインのサンプルを出力してくれるサービス」というものを提案しました。
具体的には、「サイトの目的」、「ターゲットとするユーザー層(性別・年齢など)」、「カラースキーム」といった設問に回答していくだけで、スマートフォン・タブレット・PCに対応したデザインサンプルをいくつか自動で出力してくれる、というものです。
このサンプルの中からクライアントに好きなものを選んでもらい、「このデザインでお願いします」と制作会社に発注することで、WEBサイト制作の工程におけるデザイナーの工数を削減することを目的としたアイディアでした。
なぜこのようなアイディアを提案したのかというと、デザインやコーディングに携わったことがある人なら経験があると思うのですが、クライアントの要望が曖昧なまま「そっちでいい感じにしといてください」みたいなことを言われることがあります。
そこで「ではこんな感じでどうでしょうか」と提出すると「なんか違う」、「やっぱりあーしてこーして」みたいな要望が出されてリテイクが重なり、サイト自体の納期は決まっているのにデザインがFIXしないせいでコーディングのリソースが削られ…みたいなことがあると思います。
これが起こる理由として、クライアント側で自分の要求を具体化できていないため、それを制作側にうまく伝えれないということが一因ではないか、と考えました。
そこで、実際に制作会社に発注する前に大まかな要望を回答することでAIがその要望に沿ったデザイン案を自動で出力してくれるようなサービスがあれば、より短納期でWEBサイト制作が行えるのではないか、という考えが背景にあります。
話は少し変わって、ここ10年間くらいでWordPressやWixに代表されるようなWEBサイト作成のためのCMSや、Noteのようなテキストサイトはものすごく増えたと思います。
直感的でグラフィカルなUIで、専門的な知識がなくてもいろいろなパーツを設置出来たりコンテンツを更新したりと、個人でサイトをもつことのハードルはものすごく下がったのではないでしょうか。スマホさえあれば自分だけのコンテンツの置き場が持てる時代です。さらに、先に挙げたようなCMSでは豊富なテンプレートやレイアウトが用意されており、一からデザインを作成する必要もない上にほんの少しCSSの知識があればそれをベースにカスタマイズをすることも簡単です。
ここでAIの話に戻るのですが、例えばCMSやテンプレートの機能だけでは実現できないようなDOMの操作をJavaScriptを用いて実装したいとき、一から勉強した人でなくてもChatGPTなどのAIを利用することでスポットで回答を得ることができます。
(事実私もChatGPTは多用していて、最近ではGitHubを使っていてローカルリポジトリの接続先のリモートリポジトリを変更するコマンドってなんだったっけ?みたいなときにすぐに回答が返ってきて便利、みたいなことがありました。)
これらを踏まえ、WEBサイトを作ることのハードルが下がっているこれからの時代にWEB制作者に求められるスキルとは何かを考えてみました。
近いうちにクライアントの要求の80%~90%程度はAIによるツールだけで満たせるようになるかもしれません。とはいえ完璧ではありません。つまり「AIにできないことはなにか」、「それを満たせるものはなにか」を考えて提案できる能力が今後重要視されるのではないかと考えています。
デザイナーに様々なユースケースを想定してデザインを提案する能力が必要であると考えているのと同様に、エンジニアにもさまざまなセキュリティリスクを想定しそれを防止するための対策を提案できることが、AIの進化によって今後重要になってくるのではないかと考えています。
自分自身まだ具体的なAI技術との向き合い方はまとまっておらず、少々ふわふわした内容になってしまったかもしれませんが、クリエイティブ業界においてAIとの関りは避けられないように思います。
AIを利用する上で、その学習元ソースの著作権や出力された生成物と既存の作品との類似性などの問題はまだまだ多いです。しかし、そういった問題と向き合いつつ自身もAIを使ってみることで、現状AIではできないことを認識し人の手でしかできないことの価値を高めていくことが大切なのではないかと思いました。