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Apache Beamとは(Java版)

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Keita

はじめに

こんにちは、SAKURUGのKeitaです。
今回は以前書いた記事、「Apache Beamから設定したApache Flinkの並列度について」という記事で出たApache Beamの概要について解説していこうと思います。

Apache Beam 概要

Apache Beam は「一度パイプラインを書けば、複数の実行環境で動く」ことを目指したデータ処理フレームワークで、バッチ処理とストリーム処理の両方を統一的に表現できる点が最大の魅力です。
Java SDK は堅牢な型チェックや既存のJavaエコシステムとの親和性が高い点が強みです。

また以下のようなメリットがあります。

  • 統一モデル:バッチとストリームを同一の抽象で記述できるため、処理ロジックの重複が減る。
  • 実行ポータビリティ:Beamで書いたパイプラインは Dataflow、Flink、Spark など複数のランナー上で実行できるため、環境移行やベンダーロックインの緩和に有効。
  • マルチ言語サポート:Java以外にも Python、Go、SQL などの SDK が提供され、組織のスキルセットに合わせ選択できる点も便利。

上記の通りマルチ言語サポートではあるものの、私がJavaをメインに開発しているため今回はJava向け解説とします。

コア概念

PCollection/PTransform

  • PCollection はパイプライン内のデータ集合を表す抽象。バッチデータもストリーミングイベントも同じ概念で扱えます。
  • PTransform は PCollection を入力に取り操作を行う変換(map/filter/aggregate 等)を定義する単位です。

ParDo/DoFn

  • 要素単位の処理を行う基本要素。状態管理やタイマー、複数出力(Tagged outputs)などを DoFn 内で記述できるため複雑なストリーム論理も実装可能です。

Windowing/Trigger

  • イベント時刻に基づく集約や遅延到着データの扱いを細かく制御する仕組み。ストリーミング集約を正しく実装するには Window と Trigger の理解が必須です。

Side Input/Side Output

  • 集約や参照データをパイプラインの一部に注入する手段(Side Input)や、1つの変換から複数の PCollection を出す設計(Tagged Outputs)が、実務パイプラインでは頻出します。

Javaでの開発ポイント

  • 型安全とシリアライゼーション:DoFn や PCollection の要素型を明示し、Coders(シリアライザ)を適切に設定することでパフォーマンスとデバッグ性が向上します。
  • Composite Transform の活用:再利用可能でテストしやすい小さな Transform を組み合わせる設計を行うことで保守性を高められます。
  • テスト戦略:TestPipeline を使った単体テストや Create.of/Create.empty を利用した入力シミュレーションでロジック単位の検証が可能です。
  • ランナー依存の振る舞い確認:ローカル実行と実環境(Dataflow/Flink等)で動作差異が出ることがあるため、ランナー上での検証をCIに組み込むことが重要です。
  • 処理モデル設計を先に:Windowing、Trigger、遅延データの要件を先に固め、それを満たす設計をすることで手戻りを防げます。
  • I/O レイヤーを分離する:外部システムとの入出力(Kafka、BigQuery、Cloud Storage 等)は抽象化し、変換ロジックと切り離しておくと移行やテストが容易になります。

まとめ

Apache Beam(Java)は、バッチとストリームを同一の抽象で扱えることで開発工数を減らし、複数ランナーへのポータビリティを実現する強力な選択肢です。
実務では Windowing/Trigger とランナー依存の挙動に注意しつつ、型安全な設計・Composite Transform 化・自動化されたテストを徹底することで、再現性と保守性の高いデータパイプラインを構築できます。

終わりに

ここまで、お読みいただきありがとうございました。
今回はApache beamという便利な機能のさわりでもいいので知ってほしいと思い概要説明にとどめました。
次回以降、ソースコードも交えて解説できればと思います。

今後もバックエンドをメインに記事を発信していきます。

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